米が7割値上がりした今こそ『コスパ』で考える米の選び方

米が高い!

 つい数年前まで、特売日には5kg1690円程度で米を買えることもありましたが、それはもはや過去の話。農林水産省の資料 相対取引価格の推移によれば、令和6年産米の令和7年時点での相対取引価格は相当に上がっています。

玄米10㎏税込の価格差

  • 令和6年7月 15,626円
  • 令和7年7月 26,918円

 7割超の値上がりというのは景気の良いことで……。しかもコレ、5月から始まった政府備蓄米の販売を踏まえての価格ですからね。

 しかし、いくら米が高くても我々は食べていかなければなりません。日本人の食事摂取基準では、1日のエネルギーの50~65%を炭水化物から摂ることが推奨されています。要は「1日の食事の半分くらいは米とかパンとか麺を食べようね」ということです。いくら値上がりが激しいとはいえ、管理栄養士としては米抜きの食生活はちょっと勧められないと思いました。

健康に良い米はあるの?

 コスパだけでなく、健康の観点から主食を選びたい場合、以下の原則が参考になります。

  1. 米と小麦の差はほぼない
  2. 精製された「白米・小麦粉・じゃがいも」よりも、精製されていない全粒穀物である「玄米・全粒粉・蕎麦」を選ぶべき

 1.についてですが、同じ炭水化物であれば基本的に健康面への影響は大差なく、コスパや好み・入手性の良さによって選択して構いません。

 グルテンフリー(小麦粉のたんぱく質を除いている)を謳った割高な商品が売られていることもありますが、歴史を辿ればグルテンフリーはセリアック病という日本では珍しい病気の治療のために始まった考え方です。小麦アレルギーであったり、セリアック病であったりしない限りは、わざわざ小麦を避ける必要はありません。米食いましょう、米。

 一方で 2.については、健康上のメリット・デメリットが明確になっていてThe Lancet誌(超有名な医学誌)に掲載された論文によっても支持されています。

 細かく解説していると日が暮れてしまう内容ですが、ざっくりいうと「玄米や全粒粉のようなものを食べる人ほど、病気になったり、亡くなったりする可能性を下げられるよ」という内容でした。ちなみにこちら、栄養論文業界の大谷翔平レベルの凄い論文です。ここまでの実力者がそういうのですから、健康のことを優先するのであれば未精製の全粒穀物から炭水化物を摂るべきでしょう。

米が高ければパンを食べればいいじゃない?

 このような背景を踏まえ、ざっくりとした価格比較表を作成しました。

スクロールできます
品名計算方法価格(税込み)300kcalあたりの
単価
健康へのメリット
無洗米コシヒカリ5kgトップバリュ
実勢価格
4,730円83円
むらせ ソフトブラン玄米 5kgAmazon
実勢価格
5,220円91円未精製
全粒穀物
令和6年の頃の新米(精米)5kg厚生労働省の
データより算出
2,400円42円
【参考】パスコ超熟おねだんノート
参照
214円61円

 2025年7月時点では「パンがちょっと安い」が結論でしょうか。

 とはいえ、激安のパンではなく、ちょっと美味しい340円程度の食パン(パスコの超熟 国産小麦など)を選べば、5kg5000円前後の米と同程度のコスパになりますので、「パン一択」という極端な話でもありません。

 イメージしやすい例に落とし込むと

 5kg5000円の米から1斤200円のパンに置き換えると、1食あたり25円*人数分くらい、1日1食置き換えたなら1ヶ月で750円*人数分くらい安くなるかも。

 こんなところでしょうか。個々人の価値観にもよりますが、べらぼうな差があるわけではないですね。

 「お米が高いから他のものを食べる」と言ってリッチな食パンを食べていると、結局節約になっていないケースもあるでしょう。どのくらいの価格のものを選ぶと、どのくらいのメリットが見込めるかを考えて主食のチョイスをしていただくのが良いかと思います。

 ちなみに、人によって調理代(例:プロパンか都市ガスか)も違うし、ポーションサイズも違う(例:ご飯は茶碗一膳で300kcalくらい食べるけど、食パンは2枚で240kcalしか食べない)ので、あまり厳密すぎる計算には価値はありません。ざっくりの感覚だけで十分でしょう。

まとめ

  • 米は昨年と比較して7割値上がりしている
  • 全粒穀物の玄米は健康面では大いにメリットあり
  • パンに変えるとチョット安くはなる

5kg1,780円とかで買えてた時代が懐かしいですね……。

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