昨年と比較して米が1年間で7割近い高騰を見せる中、パンや麺はどうなのか? パンや麺の価格を確認しながら、今何を食べるべきかを考えていきましょう。
パンや麺の安さ比較
品名 | 計算方法 | 価格(税込み) | 300kcalあたりの 単価 | 健康へのメリット |
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パスコ超熟 | おねだんノート 参照 | 214円 | 61円 | |
スパゲッティ1.7mm1kg | トップバリュ 実勢価格 | 246円 | 21円 | |
ベストプライズ冷凍うどん | トップバリュ 実勢価格 | 225円 | 56円 | |
全粒粉 スパゲッティ1kg | Amazon 実勢価格 | 754円 | 70円 | 全粒穀物 | 未精製
木村屋の全粒粉100%食パン | 公式サイト | 800円+ 送料1,270円 | 600円 1斤340gとして試算 | 全粒穀物 | 未精製
【参考】無洗米コシヒカリ5kg | トップバリュ 実勢価格 | 4,730円 | 83円 |
こうして1食あたり(仮に300kcal分としています)あたりに直して計算すると、乾麺のやすさが際立ちます。この価格帯のめん類には食味面での当たりハズレがあるのは否めませんが、明確なメリットではあるでしょう。底値で見ると、乾麺はかなり安いものが多く、うどんやそうめんなどもスパゲッティと同程度に安いケースは散見されます。
健康上のメリットの鍵は『全粒粉の含有率』

- 米と小麦の差はほぼない
- 精製された「白米・小麦粉・じゃがいも」よりも、精製されていない全粒穀物である「玄米・全粒粉・蕎麦」を選ぶべき
米の記事でも取り上げた上記原則は変わりません。ご飯とパンとめんの健康的価値はさほど大きく変わりませんので、そこはお好きに選んだら良いと思います。
ただし、現実問題として「精製されていない炭水化物の割合」には注意が必要です。 例えば、パスコの『麦のめぐみ 全粒粉入り食パン』の原材料を見てみます。
小麦粉(国内製造)、糖類、ショートニング、小麦ふすま、小麦全粒粉、パン酵母、食物繊維、ライ麦全粒粉(以下略)
Pascoの麦のめぐみ全粒粉入り食パンより引用
このように、全粒粉やふすまはショートニングより後ろに記載されており、含有量は少ないと考えられます(※食品の原材料表示は、含有量の多い順に記載する義務があります)。
この点を踏まえ、どの程度全粒粉や小麦ふすまを配合しているのかメーカー(Pasco)に問い合わせたところ「配合割合は社外秘のため開示できない」とのご回答をいただきました。残念……。つまり、全粒粉入りであっても、実際には全粒粉の含有量が非常に少ない可能性があるということです。
一応申し上げておくと、パスコを非難したいわけではなく(私は超熟好きです)、他のリーズナブルな全粒粉パンもすべて似たような状態でした。要は、日本において安く全粒粉パンを買うのは難しいのです。
じゃあこだわって全粒粉100%を探せばいいかとも思ったんですけど、コレがまた高い。木村屋の全粒粉100%食パンは、1斤800円+送料と高額で、日常的に取り入れるにはハードルが高めです。いや、1回だけ食べてみたことがあって、美味しいんですけどね。
蕎麦でもイオンのベストプライス『香りとのどごしそば』(400g246円)は、そば粉よりも精製された小麦粉のほうが含有量が多く、精製されていない炭水化物のメリットを享受できるか不安な数字です。滝沢食品十割そば(Amazonにて1000g1851円)であればOKですが、単純にグラム単価が3倍ですので、これも『コスパと健康の栄養学』を謳っている本稿ではおすすめしにくい価格帯になってしまいます。
全粒粉パスタは、底値の激安パスタと比較すれば多少割高ではありますが、昨今の米価格と同程度の水準です。十分庶民的な価格と言えるでしょう。『コスパと健康の栄養学』としては、全粒粉パスタに関しては、健康面のメリットが、コスパ面のデメリットを上回る可能性が高いので、おすすめできる食品とさせていただきます。
まとめ
- 価格面で見れば乾麺は優秀(ただし食塩のとりすぎに注意)
- 全粒粉入りパンやそばは、全粒穀物の割合が肝心
- 全粒粉パスタは比較的安価に購入しやすい全粒穀物である
毎食食べるべき主食だからこそ、丁寧に選んでいきたいところです。
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