本日のテーマはナッツです。昨今ではロカボと銘打って大々的に売られていますが、ナッツ類は健康に良いのでしょうか?
この記事を読むと、ナッツをどの程度摂取すれば良いのかがわかります!
ナッツは健康に良いのか?
ナッツは健康に良い
地中海食に加えてオリーブオイル・ナッツを摂取させた研究では、毎日ナッツをとる人で心筋梗塞や脳卒中などのリスクが有意に低下することが示されています。
その他の複数の研究でもナッツが良くないとされている真っ当な論文は、今のところ見たことがありません。シンプルに「ナッツは健康に良い」んですね。理由ははっきりとはわかりませんが、おそらく優れた脂肪酸と食物繊維なのではないか、と言われています。正直ロカボは後付け感あるなあ、と思って見ています。
とにもかくにも、日本で特に消費量の多いアーモンドや、手頃な価格なピーナッツ、素焼きにすると美味しいくるみなど、ナッツ類は安心して食べられる食品です。
素焼きナッツならばどのナッツも健康に良い。ピーナッツも健康によい。
当然ですが、ナッツの種類によって含まれる栄養素、特に脂肪酸は変わってきます。
それを目ざとく取り上げて「アーモンドはオレイン酸が豊富で最高!」とか「n-3系脂肪酸を積極的に摂取したい方は、クルミがおすすめ!」という風なセールストークでナッツを売っているのをよく見ます。
間違いではないのですが、その差を踏まえて「このナッツが健康に特に良い」と謳っているガイドラインは見たことがありません。ナッツであれば基本的には全部健康に良い、と考えていいでしょう。
強いていれば「一価不飽和脂肪酸の代表格オレイン酸は菜種油やオリーブオイルから摂取したほうがコスパよくない?」という気はするので、比較的摂取が困難なn-3系脂肪酸くるみを推します。しかし、いち管理栄養士の好みの域をでません。お好きなナッツをどうぞ。
なお、実はピーナッツはナッツではなくマメ科の植物なのですが、ナッツと比較しても遜色ない健康効果が確認されています。ナッツ類を食べたいけれど予算的に折り合わないというかたは、ピーナッツをご検討いただければと思います。ただし、食塩やバターを使っている(≒健康に良くない要素が足されている)商品も多い点には留意してください。
どのくらいの量を食べればいいのか?
ナッツの適量は実はよくわかっていない
体に良さそうなのはわかったけれど、じゃあどのくらい食べればいいの? という話になりますが、実ははっきりわかっていません。
例えば、韓国でナッツ摂取と死亡リスクの関連性を調べたコホート研究では、ナッツを週に1~2サービング(15~30g)食べる人より、ナッツを週に2サービング以上(30g以上)食べる人は心血管疾患で死亡する確率が下がっていると報告されています。ある程度量を食べれば死亡率が下がるというのは想像した通りのようです。
さらに地中海食に加えてオリーブオイル・ナッツを摂取させた研究では、ナッツを下記の通り摂取させていました。
- くるみ(walnuts)15g
- ヘーゼルナッツ(hazelnuts)7.5g
- アーモンド(almonds)7.5g

イメージしやすいように、家にあった30gのミックスナッツを撮ってみました。(ナッツの種類は研究のものとは異なります)
うーん、1日に食べるには結構多いような気が。まあ、常識的に食べられる範疇ですかね。結果としては、この量を食べて全死亡リスク(特に心血管疾患による死亡リスク)が下がったと報告されています。
ナッツの過剰摂取については、追加で色々探してみましたが閾値を提示しているガイドラインや研究は見つけられませんでした。
このあたりを常識的に噛み砕くと「1日20~30g程度までは食べれば食べるほど健康に良さそう」と結論付けられるかと思います。
じゃあ無限に食べていいんですか!
そんなわけねーだろ。
なんとなく想像はつくと思いますが、多量の摂取を勧めるものではありません。
ナッツを毎日100g食べた場合、種類にもよりますが1日600kcal程度は摂取することになってしまいます。体脂肪1kgにはおよそ7,200kcalのエネルギーが貯蔵されますので、計算上は12日間で1kgくらい太るレベルのエネルギーです。そこまで太ると、ナッツの健康上のメリットを、肥満のデメリットが打ち消すことが想像できます。
ナッツを食べる習慣がある人は痩せやすいという研究もあるのですが、これらはあくまで「ナッツを食べる習慣がある人が痩せやすい」と捉えるべきです。ある人に、追加的に大量にナッツを食べさせたら太るに決まってます。
過剰摂取に害があるというエビデンスがないことと、無限に食べてよいことはイコールではありません。研究の結果このくらいの量はおそらくセーフ、とわかっている範疇に収めるのが現実的な判断でしょう。
日本人のナッツ摂取量は多くはなさそう 追加で10~20gくらい食べるのは悪くない
今現在日本人がどのくらいナッツを食べているかなのですが、あまり有効なデータは見つけられませんでした。肉や魚なら農林水産省から消費の状況が発表されているのですが、ナッツというくくりの情報は見つけられません。厚生労働省が行っている国民健康・栄養調査でもナッツ消費量は提示されていません。
ちょっと無理やりですが国際連合食糧農業機関(FAO)が公表しているナッツと関連商品の供給量から計算すると、1日16g程度(アーモンド14粒前後)が平均ということでした。個人的には、自分の感覚と比較するとちょっと多く感じます。この関連商品とは、アーモンドチョコのチョコの部分も含むのか? ピーナッツはナッツ扱いしているのか? このあたりが不明なので「1日16gよりも少ないだろう」くらいの捉え方をしておきます。
そう考えると、我々日本人は追加で1日10~20gのナッツを食べるのは悪い判断じゃなさそうですね。
購入店によって非常にムラがあるコストパフォーマンス 専門店で買おう

良いのはわかったので、次はコスパを見てみましょう。
| 品名 | 価格 | 20gあたりの価格 |
|---|---|---|
| ローストピーナッツ 1kg | 1,090円 | 22円 |
| 小分け4種ミックスナッツ 約2kg 詰め合わせボックス 個包装 | 3,998円 | 40円 |
| トップバリュ ミックスナッツ10パック(270g) | 646円 | 48円 |
| セブンプレミアム ミックスナッツ 80g | 386円 | 97円 |
客観的データは見つけられなかったのですが、ナッツは購入店によってかなり価格にムラがある商品だと思っております。スーパーだと、とんでもない価格帯のナッツ類も目にしますので。
なお、ピーナッツは他のナッツと比較するとリーズナブルな傾向にあるのですが、スーパーで適当に買ってしまうと結局高くつくことが多いので注意です。
継続的に召し上がるつもりがあるのであれば、上記でご紹介したカリフォルニア堅果の2kgパックをおすすめします。1袋20gというのは、追加で食べるにもちょうど良さそうな量です。コスパ面では大袋のほうが良いんですけど、1人で1kgを食べ終わるころにはちょっと湿気ってしまいます。
結論
- ナッツは体に良い。
- ナッツの種類はそんなに気にしなくて良い。
- 今までより、1日あたり10~20gくらいは追加で食べても良さそう。
- 太るほど大量には食べないように。
個人的には、間食なしだとやってられないので、20g100袋パックのナッツをおやつ代わりにしています。1食40円程度で腹を満たせて健康に寄与するんだからコスパ良いよなー。そんなことを考えつつ、くるみをかじりながらブログを書いております。


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