MENU

果物のコスパってどうなの? 野菜と比べると割高な果物との付き合い方

目次

やっぱりお高い? 実はあんまり食べられていない果物

 以前野菜を中心に取り扱った記事を書かせていただきました。

 この時にも触れさせていただいたのですが、野菜と果物は合わせて400gくらいまでは食べれば食べるほど健康になれます。イメージに違わず体には良いようです。

 しかし、実は日本はあまり果物を多く食べる国ではありません。

 たとえば1990年代の国際比較データでは、ヨーロッパのいくつかの国では野菜より果物を多く摂っていることが分かっています。一方で日本は、野菜が平均277g、果物はわずか102g。かなり大きな差があります。

 私が以前のブログ記事で紹介した令和5年(2023年)のデータを見ても、この傾向はあまり変わっていません。

 日本では果物よりも野菜の生産量が多く、日常的に入手しやすい食材は野菜でした。さらに現代でも、価格面で見ると野菜の方が安価で手に入りやすい状況が続いています。

 つまり「健康のために食べよう」と考えたとき、コストパフォーマンスの観点からも、果物よりも野菜を選ぶ人が多いのではないかな、という印象があります。

 例えば、最近は梨が美味しい季節ですが、適当に楽天で「梨 訳あり 3kg」で調べてみると、だいたい3000~4000円くらいの価格帯です。近くのスーパーでは1個298円くらいで売っています。

スクロールできます
野菜の種類可食部100gあたりの価格
※筆者の近所のスーパー調べ
楽天で3kg4000円を買うと117円
Mサイズ1個298円を買うと122円 
トマト66円
きゅうり36円
人参30円
キャベツ26円
玉ねぎ24円
緑豆もやし15円

 まあやっぱちょっと高いですよね。多分皆様のイメージと大体一致すると思うのですが、野菜と比較すると果物が高級なのは間違いないようです。私も果物は大好きなのですが、訳あり品がお安く出回ったタイミングでしか、買えてないかも……。

 野菜と果物の価格差は計算しにくいですが、ざっくり100gあたり80円くらいってところでしょうか。

「果糖」と呼ばれて警戒されてもいるけれど糖尿病にも良い影響

 果物は糖分が入っているから食べ過ぎはよくない……。と、考える方も多い印象はありますが、実際問題どうなのでしょうか? 

 結論から申し上げると「今(日本人の平均摂取量である100g前後)の倍くらいは果物は食べてよい」と思います。

 果物と野菜の摂取と2型糖尿病のリスクについて調べた研究では、果物をほとんど食べない人と比べて、1日212~276gくらい果物を食べる人たちは、糖尿病の発症確率が1割前後低いという結論が出ています。

 糖尿病と果物の関連を調べた研究では、糖尿病患者においては果物の摂取量を制限しても検査値に悪影響は見られず、制限すべきではないとされています。

 要は、1日200~300gくらい(みかんLサイズなら2~3個、梨ならMサイズ1個くらい)は食べても良さそうです。

 そう考えると、普段から日本人は100g前後果物を食べているので、追加で果物100gあたり80円分くらい投資するのは悪くない判断といえるでしょう。

 もちろん、何事も食べ過ぎはおすすめしません! 私も本業で栄養指導することがあるのですが、年始明けの栄養指導ではみかんを1日6個(Lサイズだとすると可食部700gくらい)くらい食べつづけて、糖尿病の管理が悪くなっている人をお見かけすることがあります。でもこれはみかんが悪いわけじゃないでしょ!

 

ジュースはおすすめしにくい 生か冷凍の果物を選ぼう

生と冷凍の野菜がいちばん

 じゃあ果物のジュースでもいいじゃない、砂糖入ってない果汁100%のものなら良いでしょう? それだったら手軽で良かったのですが、そうでもないんですよコレが。

 まず前提として、果汁100%と果物100%は違います。果汁100%というのは、絞ってでてきた液体の部分が100%で砂糖は加えていないですよという意味です。余計なものが入っているわけではないです。

 じゃあ体にも良さそうなんですが、複数の研究でこのジュースを飲んでも糖尿病が減ったりする効果は得られないと報告されています。搾りかすである繊維の部分にも、食物繊維をはじめとする重要な栄養素が入っているみたいですね。

 一方で、冷凍のブルーベリーなんかはスーパーでも見かけますが、ここは生の果物と比較して、糖尿病を予防する効果は遜色ありません。セブンプレミアムのブルーベリー 500gは100gあたり129円なので、生の梨と比較しても同じくらいの価格帯ですね。そのままボリボリ食べるのはハードルが高いかもですが、選択肢としてはありです。

缶詰はどうなの?

 まず、砂糖入っているものはそもそも砂糖のとりすぎというデカいデメリットを背負うことになります。甘くて美味しい、安価に加工できるので大量に出回っており購入しやすい、そうしたメリットはありますが、健康を目指して食べるものではないでしょう。

 難しいのが、砂糖を含んでいない缶詰です。

画像引用元:DOLE フルーツカップ公式サイト

 恥ずかしながら管理栄養士の私も知らなかったんですが、砂糖が入っていない果物の缶詰ってあるんですね。缶詰っていうかパウチですけど。果汁で果物を漬け込んだ「Doleフルーツカップ スウィーティオパイナップル 」などがそれに当たります。

 理屈上、絞っていない部分もまるっと含んでいるので大丈夫そうには思うのですが、研究では取り上げられていませんでした。

 栄養界隈では「効果がありそうに思う」と「確かめてみたら効果があった」の間には、死ぬほど深い溝があるので、あまり期待しすぎないのが良いでしょう。

結論

  • 果物は野菜より高いけれども体に良い。
  • 果物は1日200gくらいまでは食べるほど健康効果が高まりそう。
  • 生の果物、冷凍の果物がおすすめ。
  • ジュースやピューレはおすすめしない。
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

管理栄養士歴15年以上のヨシと申します。
世の中の栄養情報を噛み砕き、結局どうすりゃよいのかを発信していきたいです。

コメント

コメントする


reCaptcha の認証期間が終了しました。ページを再読み込みしてください。

目次