本日の目標は読者の皆様方に「食生活におけるタイパの理論値」を叩き込むことです!
みなさんもお忙しい日々を過ごしていることと思います。食事を準備する時間が足りないこと、ありますよね。仕事、家庭、趣味、ゲーム、論文──。食事は忙しい現代人にとっては“戦闘中の補給”に近い行為です。
これを読めば、最速で及第点の食事をとるための方法がわかります! 極端な話ではありますが、忙しい皆さんの参考になれば幸いです。
結論
- 毎日これだけ食べれば最速で及第点の食事が完成します
-
- 最優先:玄米パック 3~5つ
- 最優先:冷凍弁当nosh(ナッシュ) 3つ
- 冷凍の果物 1皿
- 無糖ヨーグルト 1皿
- 水道水適量or無糖コーヒー3~4杯程度
前提条件 「タイパの良い健康的な食事」を定義する
今回の目的は「タイパの良い健康的な食事をすること」ですが、その評価指標を確認しておきましょう。
- 考慮すること
-
- 判断に時間がかからないこと
- 簡単に入手できること
- 調理に時間がかからないこと
- 食事バランスガイドなどに基づいて栄養のバランスが取れていること
- 考慮しないこと
-
- おいしさ
- 飽きるかどうか
- 常識の範囲内でのコストパフォーマンス
時間をかけずに健康を守る
まず健康を害さないようにバランスの良い食生活を送っていただく必要があります。そのためには食事バランスガイドを参照しましょう。
食事バランスガイドは、どんな料理を1日にどのくらい食べればよいかをわかりやすく示したガイドラインです。
性別や活動量にもよって異なりますが、一般的な方は肉や魚などの主菜は1日あたり料理3~5つ、野菜を中心とした副菜を1日あたり料理5~6つ食べることがおすすめされています。
食事バランスガイドについては、別の記事では詳しく解説しています。

次に食事を準備する時間は極限まで圧縮すべきです。
何を食べるべきか判断する時間、調達する時間、調理する時間をなるべく短縮します。献立を考える暇なんてないんだ!
ヨシもう全自動で機械的に「正解のものだけ」食べていただきます。
一方で食べる時間を短縮することは、健康を害する可能性があります。
複数の研究から食べる速度が早い人たちほど肥満者が多いことがわかっています12。忙しくて早食いになってしまうことはあるでしょう。しかし、太って健康を損なってしまっては目的を達成できません。
今回は食べるのに時間がかからないからといって、栄養剤ガブ飲みで済ませるような行為は推奨しません。
おいしさ・バリエーション・コスパは諦める
おいしくない、飽きる、そうしたお気持ちは割り切ってもらいます。今日の話はタイパ一点突破!
コスパについても基本的には考慮しません。
今回推奨する食生活を送ると、一日の食費が3,500円くらいになるはずです。1ヶ月で10万円程度と高価ですが、金で時間を買ってもらいます。
ちなみに本気で金に糸目をつけないのであれば、シェアダインなどのサービスで1日分の作り置きを約2万円で依頼することも可能です。
引用:シェアダイン公式webサイトより
これだとますます手間をかけずに食事が準備できそうです。しかし毎日頼んでいると、月に約40万円かかってしまいます。
さすがに厳しいと判断したため、折衷案として人を雇うくらいの大きな出費でなければ、多少コスパが悪くても目をつむる方針でいきます。



ちなみに日本執事協会では、月600万円で執事が3食準備してくれるハウススチュワードコースってのも頼めます。すごい世界だ……。
時間をかけずに健康を守るために食べるべきもの一覧
それでは本題です。具体的に何を食べればよいのか解説していきます。
食べるべきもの1:玄米パックを1日に3~5つ
主食は玄米パックがおすすめ
主食に関しては玄米パックを購入して1日に3~5つ程度食べてください。
玄米パックを勧める理由は全粒穀物を食べることは健康に良いからです。
全粒穀物である玄米がなぜ良いのかはお米の記事で解説していますので、詳しくはそちらを参照してください。


玄米であれば、その中でもどの商品が特に優れているとか、有機玄米・発芽玄米のほうが良いとか、そういうことはありません。買いやすいもの、美味しいものを選べば良いでしょう。
具体的には「東洋水産 玄米ごはん 160g×20(10×2)個入」がコスパが良くておすすめです。
もちろん玄米をまとめて炊いて冷凍しておくほうがコスパは良いです。しかし手軽さではパックご飯に軍配が上がります。



炊飯器を洗ったり、玄米の粗熱をとって小分にしたりする作業も結構時間がかかります。
なお1日に3~5つと幅を持たせたのは、性別・年齢・活動量によって必要なエネルギーは変わるからです。
この生活を続けて太りすぎてしまうのであれば主食の量を減らせばよいし、痩せすぎてしまうのであれば1パックご飯を増やすとよいでしょう。
パンやパスタは最速で及第点の食事をとるためには速度不足
全粒粉のパンや全粒粉パスタも健康には良いです。ただ「最速で及第点の食事をとること」を達成するためには力不足です。
全粒粉パンは入手性が悪いです。一般的にネット販売されていないし、毎日近くのパン屋まで買いに行く時間的余裕はないです。
アルチェネロの全粒粉スパゲッティはネットで容易に購入できます。しかし湯を沸かして茹でるためにはトータル20分くらい時間がかかります。その上、火を扱うのでコンロの前から離れられなくなります。少なくても最速ではないと判断しました。
以上の理由で玄米パックをおすすめします。全粒粉については、パンやめんの記事で詳しく解説していますので気になる方はそちらもどうぞ。


食べるべきもの2:冷凍弁当noshを1日に3つ
昨今の冷凍弁当はバランスが取れているものが多いです。最速で及第点の食事を摂るためには積極的に活用したいです。今回はnoshを例にしますが、他の冷凍弁当でもバランスが取れているものは多いです。
まずは献立を考えずにバリエーションを持たせられるのが素晴らしい!
いかに食事バランスガイドに則った食事でも、毎日全く同じ料理しか食べていない場合は、特定の栄養素が不足することも考えられます。noshは約70種類の献立がありますので、その心配はありません。
さらに出かけずとも、調理をせずとも、食事が準備できるのも本当にありがたい話です。最速で及第点の食事を摂るために開発された商品と言えます。
noshのメリット・デメリットについては、別の記事で詳しく紹介しています。


食べるべきもの3:冷凍の果物1つ
冷凍弁当にはほとんど果物が入っていません。冷凍弁当任せにできない分野です。
おすすめなのは、食べるのに手間がかからない冷凍果物をまとめ買いしておくことです。それらを1日に小皿1つぶん食べればよいでしょう。
食事バランスガイドにおいては、どの果物が健康に良い・悪いとは定めていません。率直に言えば何の果物でもよいのです。いくつか購入しやすそうな冷凍フルーツをご紹介しておきます。
- セブンプレミアムの冷凍フルーツ全般
- ミヤモトオレンジガーデン 皮むき冷凍みかん1kg
- 国産 冷凍 ブルーベリー 約1kg
凍ったままだと食べるまでに時間がかかってしまいます。前の晩から冷蔵庫で解凍しておいて、翌朝に食べるような形が適しています。



解凍に時間を使ってしまっては本末転倒です。
食べるのに時間がかからないものであれば生の果物でも良いでしょう。皮が簡単にむけるみかんやバナナなどですね。
ただし、その場合は買い出しにかかる時間をよく吟味してください。小売店まで往復しなければならないことを考えれば、基本的には冷凍の果物で済ませてしまう方がよいと思います。
食べるべきもの4:無糖のヨーグルト1つ
乳製品も冷凍弁当で十分量摂取するのは難しい食品です。
牛乳も悪くないのですが、健康上のメリットは無糖ヨーグルトのほうが多いので、無糖ヨーグルトをおすすめさせていただきます。詳細については乳製品の記事をご覧ください。


具体的な商品としては、Amazonでパルテノ12個入りを買うのがよいと思います。
- パルテノを紹介している理由
-
- 砂糖不使用
- 小分になっている
- 日持ちが比較的よい
- ネットで買える
ちなみに上記条件を満たしているのがパルテノとオイコスしかなく、筆者が調べたタイミングではパルテノのほうがコスパが良かったのでおすすめしているに過ぎません。



パルテノが他のヨーグルトと比較して特別健康に良いというわけではありません。
定期的に小売店に行く用事があるのならば、コスパに優れた明治ブルガリアヨーグルト400gや雪印ナチュレ恵400gを買ってもいいです。小売店まで往復したり、賞味期限を管理したりする手間をふまえて決めるとよいでしょう。
食べるべきもの5:水道水適量or無糖コーヒー3~4杯程度
水道水が必要十分
飲み物についてですが、日本の場合は水道水でいいですよ。蛇口を捻れば最速で安全な水が摂れるんですよ? 利用しない理由がありません。
砂糖の入っていないコーヒーやその他の飲み物でもOK
さすがに水道水じゃ味気なくて嫌だというわがままな方は、砂糖が入っていなくて購入や準備に手間がかからない飲み物ならば飲んでも良いでしょう。紅茶でも麦茶でも何でも構いません。
その中でもコーヒーは多少の健康上のメリットも期待できるかもしれません。コーヒーを飲むと死亡率や心血管疾患の発症率が下がる傾向が報告されています3。


万人におすすめするほど確固とした根拠ではありませんが、低コストで試せるのであれば悪くありません。
毎日コーヒー豆を挽いて時間をかけるわけにはいきませんが、手間無く摂取できるインスタントコーヒーや無糖のペットボトルコーヒーならば選択肢に入ります。
カフェインの摂りすぎは別の問題があるので、1日に500mlペットボトル1本分、あるいはコーヒーカップ3~4杯分程度を目安にして摂取してみてください。
エナジードリンクは論外
忙しい方はモンスターエナジーやレッドブルなどの砂糖の入ったエナジードリンクを飲みがちです。しかしながら砂糖の入った飲み物は健康面からみればデメリットしかありません。
一時的に覚醒感を得られたとしても、元気の前借りに過ぎません。



今日だけ無理して頑張ったところで、明日も忙しいんでしょうから、さっさと寝たほうがいいですよ。
まとめ
毎日これだけ食べよう!
- 毎日これだけ食べればよいもの5選
-
- 最優先:玄米パック 3~5つ
- 最優先:冷凍弁当nosh(ナッシュ) 3つ
- 冷凍の果物 1皿
- 無糖ヨーグルト 1皿
- 水道水適量or無糖コーヒー3~4杯程度
というわけで、改めて見てみると非常に味気のないメニューです。
しかしいち管理栄養士として「おいしい食事を食べたい」という欲求と同じように、「手早く健康的な食事を摂りたい」という欲求もまた尊重されるべきと日頃から思っていたので本記事を書きました。
食事の時間を削ってでも何かを成さねばならぬ方々は、この話を踏まえて食事にかかる手間を削減してみてください。その分ご自身にとって価値あることに集中できるはずです。
参考文献
1)Ando Y, Hanada N, Yanagisawa S. Does “eating slowly” lead to prevent obesity? A literature review. Health Science and Health Care. 2008; 8(2): 54–63.
2)Otsuka R, Tamakoshi K, Yatsuya H, et al. Eating fast leads to obesity: Findings based on self-administered questionnaires among middle-aged Japanese men and women. J Epidemiol. 2006;16(3):117–124.
3)Poole R, Kennedy OJ, Roderick P, Fallowfield JA, Hayes PC, Parkes J. Coffee consumption and health: umbrella review of meta-analyses of multiple health outcomes. BMJ. 2017;359:j5024.



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