お腹痛いーっ!
ちょっと油物を食べすぎて、腹を壊してしまいました。加齢に伴って油物が食べられなくなってきましたね。
しかしそれをただ受け入れ、精進料理のような食事ばかりする生活は嫌です。まだ焼肉を食べたり、背脂チャッチャ系ラーメンにチャレンジしたりしたい!
今回は40代の私が脂質の摂りすぎと向き合う考え方について解説します。これを読めば歳を重ねても油物に挑んでいくための指針がわかります。
ヨシ立ち上がれ中年よ! 胃もたれに負けるな!
結論
- 脂質を摂りすぎると下痢や腹痛を起こす
- 脂質の種類は関係ない
- 薬や温かい飲み物など別の手段で解決するのは難しい
- 脂質を何g食べたときに腹痛が起こったかを把握すべき
- 自身の価値観に従って今後の目標をたてよう
脂質を摂りすぎると下痢してしまう理由
消化できない量の脂質を食べると下痢をする
一般論として、自身の消化吸収能力を超えた脂質を食べれば、吸収されずに排泄されます。
脂質に関しては膵臓から分泌されるリパーゼ(脂肪を分解する酵素)が消化の中心となります。
そのリパーゼの力が追いつかないほどの脂質を摂取してしまったら、脂肪便(脂を多く含む便)が出ます。こうなると、腸管に負担がかかり、下痢してしまうわけです。



そしてその場合には痛みを伴うことも多いわけで……。この記事の下書きをしている私は、まさにその痛みに向き合っているのです。
脂質の種類による差異はあまりない
一時的な食べ過ぎによって消化不良を起こすか否かという観点で言えば、脂質の種類による差異はありません。
たまに「オリーブオイルなら胃もたれしませんよね」などと聞かれることがあります。実際には肉の脂でもオリーブオイルでもMCTオイルでも、食べ過ぎれば下痢します。
食べ過ぎに気をつける以外の選択肢はない
「食べすぎてもお腹が痛くならない魔法の薬はないのだろうか?」
「温かい飲み物を一緒に飲めば、下痢しにくくならないだろうか?」
残念ながら基本的には逃げ道はないです。
実は脂肪の消化を助ける『パンクレリパーゼ』という薬はあります。
ですがこれはラーメンを食いすぎた人のための薬ではありません。膵臓の機能が落ちてしまった方に使う薬です。
温かい飲み物も多少の効果がありそうですが、十分な根拠は見つけられませんでした。実際ラーメンは温かいわけだし、それでお腹痛くなるなら大した効果はないのでは……?
自分が食べられる脂質の量を見極める
自分の限界を把握しよう
果たして何gの脂質を食べることができるのか?
これは個人差がありますね。年齢、性別、遺伝によって変わってきます。



昔はラーメン食った後にサーティワンアイス食べても平気だったのになあ……。
管理栄養士としてはお腹が痛くなったときに実際に食べていた脂質の量を計算するアプローチをしてみたいと思います。今回食べたものを書き出してみます。


これはあくまで私の場合なので、みなさんも自分だったらどのくらいまで食べられたか、どのくらい食べたときに体調を崩してしまったかを計算してみてください。それをもとに作戦を立てていきましょう。
私の場合は一度に約55gの脂質を摂取したことになります。
令和5年の20歳以上の日本人は、1日に脂質を約61g摂取しています。じゃあ私はほぼ1日分の脂質を一気に食べてしまったわけですね。そりゃあ腹も下すよ、俺のバカ!
この脂質量を私にとっての脂質許容量の限界点と仮定してみましょう。
安全な摂取量を定める場合には、この限界点に安全率をかける考え方があります。


簡単に言えばこんな感じです。
食事の話ではありませんが、家庭用の踏み台は実際に耐えられる重量の1/2~1/3くらいを耐荷重として表示するそうです。私のお腹は脂質55gで破損したので、それよりは十分に低い数字を設定するべきですよね。
安全率を上げすぎると自由を失う
安全率を高めの1/2と見込んで、LOAELである55gの半分約25gまでが食べられる脂質量と定めるのも一つの選択肢です。ラーメン1杯程度の脂質の量ですね。



でも冷静に考えてください。25gって相当控えめですよ。
一例として叙々苑の吟味ランチをとりあげてみましょう。
叙々苑公式webサイトより引用
脂質量は公開されていませんが、サーロイン・カルビ・塩タンが各40gくらい含まれていそうに見えました。
食品成分表を使って脂質を概算してみました。脂質はだいたい35g~45gになりそうです。
え、もう25g余裕でオーバーするじゃん。私は今後叙々苑ランチを食べないと天に誓わなければならないのか。
そんなのいやだ……! 叙々苑でランチ食べたことはないけど、そのチャレンジをする自由を放棄したくない!
価値観に従って目標を立てよう
お腹が痛いのとラーメンが食べられないのはどちらが不幸か?
これは栄養学ではなくただの価値観の話です。
痛いのがとにかく嫌という人もいるでしょうし、食の自由が失われる方が嫌だという人もいるでしょう。
そしてこれはあくまであなたのお腹の物語です。好きに決めてしまってよいのです。
保守的な運用をするもよし! 攻めた運用をするもよし! あなたの食欲と、痛みへの恐怖を天秤にかけて判断してください。



私はやや攻め気味の基準として脂質45gを自身のお腹の上限と定めました。
よく食べる食品の脂質を10g単位で概算できるようにしておく
チョコモナカのような個包装された食品ならば、脂質の量が書かれています。しかしそうでない食品(ラーメン・焼肉など)の脂質を、いちいち計算するのは現実的ではありません。



末席を汚すも管理栄養士の端くれですが、毎日摂取する脂質の量を暗算するのは無理ですよ!
これに関しては、自分がよく食べる食品に関して、ざっくり一皿脂質何gと覚えておくのが良いと思っています。
| 脂質量の目安 | 主な料理例 |
|---|---|
| 約10g | 塩ラーメン(チャーシューなどが乗っていないもの) 幸楽苑 餃子6個 マクドナルド マックフライポテトSサイズ |
| 約20g | 幸楽苑 ラーメン coco壱番屋 チキンにこみカレー すき家 牛丼並盛 サイゼリヤ ミラノ風ドリア ハーゲンダッツ ミニカップ1つ 森永 チョコモナカジャンボ |
| 約30g | 大戸屋 鶏と野菜の黒酢あん定食 天丼てんや オールスター天ぷらと藪そば マクドナルド ビッグマック1つ |
| 約40g | 叙々苑 吟味ランチ なか卯 カツカレー |
これくらいの精度の基準を作っておき「今日は大戸屋の黒酢あん定食食べたから、モナカ食べると50gになっちゃってやばいな……。どうしてもアイスが食べたい場合にはガリガリ君にしておくか」くらいの判断ができるようにしておくのが良いのではないでしょうか。
まとめ:どのくらい脂質の量までチャレンジすべきか決めよう
- 脂質を摂りすぎると下痢や腹痛を起こす
- 脂質の種類は関係ない
- 薬や温かい飲み物など別の手段で解決するのは難しい
- 脂質を何g食べたときに腹痛が起こったかを把握すべき
- 自身の価値観に従って今後の目標をたてよう
- 計算しやすい方法を頭に入れておこう
上記を踏まえて、自身にとって心地よい食生活を送っていただければと思います。
などと格好いいこと申し上げましたが、これは今回腹を下す前から考えてあった内容です。にもかかわらず今回は食べすぎてしまいました。



人間の食欲とはままならないものです……。アイスおいしい!







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